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愛媛の 私立学校 |
私学の 駆込み寺 |
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A 1968(昭和61)年3月まで、本校退職者は専任講師として再雇用さ れていました。定年退職者は私学共済組合から退職年金の支給を受けますが、この時期の本 校定年退職者はフルタイムの講師、つまり専任講師として再雇用され、学級担 任などの校務分掌を担当していました。給与や手当も県人事委員会の給与表に したがって支給されていました。 この当時の問題点としては、今回の再雇用問題とは直接関係はありません が、公立校退職者との待遇格差が常に指摘されていました。 公立校退職者は、公立学校共済から年金を受けつつ、一方では新たに私学 共済組合員となって私学共済から医療給付や再度の退職年金の支給を受けま す。この点は、現校長など現在の公立退職者も専任として再雇用された場合は 同様です。 ところが、本校退職者は、年金を受給している以上私学共済に入ることはで きません。しかし、医療保険は当然必要ですので、私学共済に比べて相当に割 高な国民保険に加入せざるを得ないという事情がありました。これは必然的に でてくる格差なのですが何か割り切れないものを感じたものです。 B 1986(昭和61)年になって、学園理事会が、本校退職者は今後時間 講師として再雇用する、と通告してきました。まったく唐突なことでしたが、この年、学園理事会は本校退職者の再雇用方 式についてとんでもない方針を打ち出してきました。専任講師採用を止め全員 時間講師として採用するというのです。 時間講師採用となると、これまでの給与表に基づく定額給与ではなく、持ち 時間にたいする時間給ということになりますので、収入が減額されるととも に、収入は不安定となり、しかも人によって相当の格差が出てきます。そして この格差を採用側が恣意的に設定できることにもなるおそれがあります。とも かくも、この改定で学園の人件費負担が軽減されるのは確かでした。 さらに、公立退職者はこれまでどおり専任講師として採用されるわけですか ら不公平感は一段と強まってしまいます。 C 実は、他校からの横やりがきっかけの改定でした。学園の唐突な方針変更の背景には、ある私学からの横やりがあったと伝えら れています。新田の再雇用方式は私学共済法に違反している、というのです。 学園はその非難に応えるかっこうで新方針を打ち出したわけです。覚えておき たいことは、この新方針が他校の横やりをきっかけとして行われた改変であっ て、私学共済組合の「指導」によるものではなかったことです。この点は組合 としても確認しています。 D 何が悪い?それはともかくとして、学園は本校の再雇用方式の何が法に触れていると いったのでしょうか。 『組合員のための私学共済ブック 96』に「組合員にはどのような人がな れるの?」という項目がありますが、これがこの問題の出発点です。そこには 次のような記述があります。 「学校法人等に勤務し、給与を受ける人は、教職員となったその日から組合員
資格を取得し、各種の給付を受けることができます。
・私学共済の組合員は法律で定められたものなので、個人の意志などで組合員 にならなかったり、止めたりすることはできません。」 学園はここから 「専任講師は、専任である限り、私学共済組合員にならなければならない。だ から、年金を受けている(つまり、私学共済組合員ではない)退職者は専任講 師にはなれない。」 という結論を導いたのです。この結論の導き方には論理的な誤りがあり、その 点が10年後に問題となるのですが、残念なことに、当時、組合もこの主張を 受け入れてしまい、新方針による目減りを食い止めるための「条件闘争」に 入ったのでした。 E 団体交渉によって、本校退職者を「講師」として再雇用することになりま した。 数次にわたる団体交渉の結果、本校退職者については、従来の時間講師では
なく、ボーナス支給等特別待遇のある時間講師(これを単に「講師」と称す
る)として再雇用することになりました。
1)本校教員が定年退職後勤務を希望するときは時間講師として任用し、講師と
呼称する。
この協約では学園としてもかなりの誠意を示してくれましたが、当時の計算 では、新方針による定年退職者の年収入は21.1%減となってしまいまし た。 なお、現在の本校定年退職者はほとんどこの「講師」として再雇用されてい ます。 F ところが、学園の「結論」はまったくの錯誤であったことが判明しまし た。学園は、私学共済法との整合性を確保するため、という理由で本校定年退職 者の時間講師採用を強行したのですが、意外なところから、この学園の方針こ そが私学共済法との整合性と欠いていることが明らかになりました。 それは、「在職者年金制度」の問題でした。私学共済には、在職のままで年 金(但し減額される)を受ける「在職者年金制度」があったのです。ところ が、61年協定の規定では本校退職者全員が時間講師なるよう義務付けられて いるのですから、本校の共済組合員は、私学共済のこの制度が利用できないこ とになっていることが判明したのです。つまり、私学共済組合は「専任在職 者」でかつ「年金受給者」という教員の存在を前提にしていたわけです。ここ へ来て、学園の主張の誤りがはっきりとしました。 G 学園の解釈の誤りを証明するもう一つの根拠がありました。 さらに、県内で現在も、かっての本校と同様に、年金を受給している退職者
を専任講師として雇用している例があることもわかってきました。そしてその
ことで私学共済から警告を受けたりすることがないこともわかってきました。
学園の解釈は間違っていたのです。
H 東京六大学傘下の私学教職員は私学共済に加盟していません4で紹介した「組合員のための私学共済ブック」には 「・私学共済の組合員は法律で定められたものなので、個人の意志などで組合 員にならなかったり、止めたりすることはできません。」 という規定がありました。これが「専任」(共済組合員)でかつ「年金受給 者」(退職者)であることはできない、という主張の根拠でした。ここだけ読 むと、法律にしたがって、日本中の正職員たる私学教職員は全員私学共済に加 盟していなければならないと解釈できそうです。しかし、実はこの規定はザル 規定だったのです。 なんと、日本の代表的私学である早稲田、慶応などの私学は独自に厚生年金 制度 をもっており、私学共済には入っていないのでした。これには歴史的経 緯があるのですが、私学教職員が絶対に私学共済に入らなければならないとい う主張が成り立たないことははっきりしています。 しかも、一口で「専任」といっても、学校によってさまざまな勤務態様(た とえば、専任だけど授業が終われば帰宅してよいところもある)があり、私学 共済法としても、専任の定義ができていないのです。 I私学共済加盟は申請主義ですこのようなザル規定ですから、私学共済法は「専任であるもの」を定義する ことによって組合員を規定することはできませんでした。ここで苦肉の策とし て採用された組合員資格決定方式が「申請主義」でした。学園理事会が組合員 として申請したものを組合員とする、というのがこの方式のやり方です。学園 理事会が申請しないものについては私学共済はタッチしない。申請のあるもの のうち、異状に給与の低いものについては、時間講師であるのに専任であると 虚偽の申請をした疑いがあるからチェックするが、その他の被申請者について は組合員と認定する、というわけです。 J 新協約で10年ぶりに専任講師任用が復活しましたこうして私学共済法についての現実的な対応が可能となり、教職員組合は改め て60年協定の改正を求める団体交渉に取り組みました。組合側の要求は、私 学共済への組合員申請は本人の希望に基づいておこなえ、というものでした。 この交渉の結果、1996(平成8)年3月26日に新しい協定が締結され たのです。 本協定によっては、本校定年退職者が年金を受給しながらフルタイムの勤務 につくという道が開かれました。この意味では、これによって1986(昭和 61)年以前の再雇用方式が部分的に回復されたことになります。 ただし、この協定による「私学共済加入不申請専任講師」任用については誰 にでも適用するというのではなく、付属文書の「私学共済加入に関する判定基 準」に合致する必要があるとしています。 この基準は学園理事会が主体的に提案してきたもので、学園としても「私学 共済不申請」の根拠がほしかったわけです。学園は「不申請」の条件として次 の四つの例を挙げています。この四つの条件のうち「どれか一つ」が満たされ ていればよいのです。その四つの条件を見ておきます。 (該当例1) 他に本業のある者
(該当例2) 本校からの給与を生計の主たる資(主たる収入源)としていな
い者
(該当例3)勤務日数が一般教員の四分の三以下の者
(該当例4)1週の授業時間が一般教員の四分の三以下の者
K 共済組合加入不申請専任講師制度を活用しましょう この制度は、持ち時間に左右されない安定した再雇用条件の確保という点
で、定年延長が実現するまでの過渡的待遇として評価できる内容となっていま
す。
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