2002年5月27日月曜日

大鵬親方いわく


 11ヶ月目を迎えた一人暮らしであるが、この数日やや疲れてきたようで、お弁当作りを二日続けてサボった。お弁当がないときは職場の近くの中華料理屋で昼飯を取る。野菜炒め定食とか、天津飯とかが多い。

 そこでたまたま読んだ週刊誌に出ていた大相撲大鵬親方の発言は、横綱になったとき最初に考えたことはなんだったかとか、横綱の土俵入りがどれくらい負担になるものかなど、なかなか興味深いものであった。

 さて、大鵬親方によると、最近の大相撲が面白みに欠くのは、若乃花が引退し、貴乃花が休場しているせいではなく、大学出身の力士が増えてきたからだという。

 というのが、高校・大学と相撲をやってきたものはいつもトーナメントの試合ばかりやってるわけだが、トーナメントの場合、一度負けるとそれで終わりになるから、どうしても、勝つことが優先されるようになる。そんな生活を3年、7年と続けていると、自然に、「勝てばいい」といった相撲が身にしみてくるのだそうだ。

 実際、このごろの相撲は「引き技」が多い。「引き技」は、勝ってもニタリそほくそえむばかり、本当の喜びにはならない。負けたほうは不完全燃焼の極み、という結果になる。霧島や若島津がよく見せてくれた「つり出し」技の興奮はもう過去のものになってしまったようだ。

 スポーツは一つの自己表現であり(それ以上のものでもないが)、その自己表現が観るものを感動させることがしばしばある。「勝てばいい」というスポーツと「自己表現」としてのスポーツの間には大変な距離がある。

 それは賭け事と芸術との差に匹敵する。賭け事に勝って喜ぶのは本人だけである。客は喜ばない。