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2002年 6月 21日 土曜日

停滞の時代


 『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著 講談社「日本の歴史19」 2002/6)を読んだ。たまたま手にした本だが思いのほか面白くて一日で読んでしまった。

 私たちが今江戸時代を読む意義について筆者は次のように述べている。

 現代のわれわれにとって、江戸後半の停滞の時代は、ひとつのかがみとなる時代である。それは江戸時代をモデルとして真似るといういみではない。成熟した文明とはどのようなものなのか、そこで何が起きるかを見せてくれるのである。
---中略---

 二十一世紀の日本は、人口減少の時代となる。寿命は江戸時代の二倍を超えて、その伸びもようやく止まりつつある。現代にふさわしい、新しい生活文化の伝統を形成しなければならない局面を我々は迎えている。

 しかしこのような時代がかつてたんに保守的な時代ではなかったことも、われわれは江戸時代のケーススタディから知るべきである。

 ひとつの時代の終わりとは、次の文明を生み出す要素が息づき、胎動を始める時代であったのだから。(エピローグ)

 本書を一読してこのエピローグに共感することしきりであった。少しく希望がわいてきた思いがある。



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