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2002年8月 1日 木曜日

うまいもの



今回の旅行のうまいもの、といえば、まず、カンウォン(江原)道名物のカジャ(じゃがいも)をあげたい。これは去年の夏のカンウォン道南部旅行のとき、自動車道のサービス・エリアで頬っぺたを落としかけていたのだった。一度蒸した小型のカジャを鉄板で焼き、塩をかけて食べる、という簡単なもの。丸ごと(トン tong)食べるので「トン・カジャ」という。今回はこれを欲張って三ヶ所で食したのだがどこのもうまかった。

 それからすでに紹介したチュンチョン(春川)の鯉料理。サシミももちろんおいしかったが、サシミを包むケーンニップ(えごま)の葉っぱがすこぶるいい香りだった。写真一番手前に写っているサラダはこの店独特のものだそうでなかなかの味だった。サシミの左にあるカムジャのフライは文句なしにうまい。チュンチョン市を流れる北漢江のチュンチョン・テム(春川ダム)のすぐ近く、坂道(オンド)にあるので「オンド・フェーチプ」という店だったと思う。
 韓国ではトマトに砂糖をかけるのが普通らしい。大勇をふるって食してみたが結構うまい。でも、もう一度積極的に食べてみようとは思わない。

 

 ソクチョ市の南隣はヤンヤンという町でソウルや上海とを結ぶ国際空港がある。数年前まではソクチョ市にある空軍基地を民間航空会社が利用させてもらっていたそうだが、今はここの新しくて立派な空港が使われている。
 ヤンヤンの名刹・ナサンサ(洛山寺)観光の帰り道、その昔はソクチョ唯一の港だったテーポ(大浦)に寄ってみた。浜辺の道沿いに活魚や海産物を商う店が数百メートルにわたって続いており、狭い道は買い物客でごった返している。お目当てはやはり活魚のサシミだ。
 写真手前のザルには海水がどんどん流し込まれている。このザルに、30cmほどのひらめと、何とかという黒い魚(背中が高い感じの魚だった)が一匹ずつ、そしてザルを泳ぎ回る2匹のスルメイカ、さらにホヤが3個入っていて、2000円だ。値切る気もしないうれしい値段だ。

店の奥には縁台に屋根をつけたような食堂がある。そこに座って待っているとさっきの魚たちがサシミになって運ばれてくる。これがおいしくないはずがない。この日の夕食はサシミと野菜と焼酎だけだった。

 今ソウルの焼酎界は、「アッチミスル(朝露という意味。チルロの姉妹品)」と「サン(山)」の間で激しい競争が繰り広げられている。この店は「アッチミスル」だった。江原道は「山」の地元なのだが、「アッチミスル」の食い込みが激しいのだろう。それはともかく、どちらもおいしい焼酎である。

 そして泣けるほどうまかったのが、ソウル最後の夜の「コプチャン・グイ」(牛の内臓焼き、いわゆるホルモン料理)だ。これは私がハニャン(漢陽)大学名誉教授U 先生にリクウェストした料理で、U先生のポン友でこの方面に詳しい、お医者さんで童話作家、このたびカンウォン(江原)大学図書館に特別の個人著作コーナーが設置されることになったJ博士が案内して下さったのである。 J 博士の話では、大腸と小腸とは全く別物で、小腸は栄養を吸収するところ、大腸はウンコの調整工場だそうだ。したがって、小腸はパイプの中身を除去する必要はない、ないどころか、小腸の中の腸液こそが「コプチャン・グイ」のうまさの秘密なのだといわれる。
 小腸は外はカリカリ、中はジューシーというのがうまいのは焼き魚と同様である。お酒が大いに進んだのは言うまでもない。「旅行はリラックスのためにするんだから、糖尿病だって飲んでいいんです」と名誉教授。うーむ、このお言葉でますます信頼してしまうなあ。
 一方、J博士は「(田舎の高校のヒラ教員のクセに大先生たちにホルモン屋でご馳走させる---とは言われなかったが、言われたような気がした---)あんたはいったいなにものなの?」と改めて真剣に私にお尋ねになったのである。うーーむ、そういわれてみると不思議だなあ。
 この店では、焼酎は江原道ひいきのJ博士の一声で「山」となった。J先生が案内してくださったこの店は、地下鉄3号線教大駅下車、教大後門前「コブチャン」(「コブ」は「亀」)という店。いわゆる客が並ぶ店だ。同じような店が三軒ほど並んでいるが、まずこの店が満員になって、列を作って待っている人たちが痺れを切らして隣の店へ入っていくのである。



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