2002年8月 27日 火曜日
愛媛県会議員佐々木泉さんの挨拶に拍手

 昨夜松山市内でJCP主催の教科書採択問題講演会があった。講師はJCP幹部会員・参議院議員の吉岡吉典さん。吉岡さんの講演は議員活動のかたわらの精力的な資料渉猟によって入手した1級資料をもとにしたお話でまことに説得力のあるものであった。この講演については別途取り上げてみたいと思っているのだが、今日は、畏友佐々木泉さんの「閉会の挨拶」を紹介したい。これがなかなか秀逸だった。以下その閉会の挨拶である。


 8月15日の愛媛県教委の扶桑社歴史教科書採択については、「つくる会」による周到な計画と全国的な力の集中がありました。
このほど、「つくる会」の西尾幹二氏編著による「新しい歴史教科書 次なる戦い」(小学館文庫)が出ましたが、そのなかで、藤岡信勝氏がこう書いてます。

鎌倉の次の主戦場は愛媛ということになった

 昨年、全国の採択率0.039%という惨敗に終わった「つくる会」が、その巻き返しに出て、ようやく今年3月、鎌倉で教科書ネットの集会にケチをつけて会場使用許可を取り消させるという初めての「局地戦における勝利」を得て、「次の戦場は愛媛」と決め、全国総がかりで愛媛に運動を集中させたというのです。

しかし、「つくる会」は、愛媛の今年の「採択戦」で「勝った」といっても、実はビクビクもので、弱点がいっぱいあります。

 

 第1は、なにしろ敵が多い。

 多くの愛媛県民は「なぜ、わざわざもめている教科書を」というのが実感ですし、採択を報じる新聞記事は、産経など一部をのぞいて、ほとんどが採択に批判的でした。
  愛媛出身の劇作家で演出家の鴻上尚史さんも批判文を寄せました。

  最近「つくる会」が松山で配ったビラでは、「愛媛新聞は共産党・過激派の機関紙か?」と毒づき、自分で敵を増やしています。(会場爆笑)

 県教委の採択のあり方にも疑問の声が上がっていて、とくに、教育委員が「全会一致」で扶桑社に決めたのはおかしいという指摘が強くあります。

 先ほどの「次なる戦い」という本で、西尾幹二氏が紹介していますが、古代のユダヤ社会では「満場一致の議決が出されたときには採決が無効になるという定めがあった」そうで、「それは自由な意見表明が行われている場において、百パーセントの肯定ないし否定というのは何らかの不明朗な強制力なくしては起こり得ないがゆえに、自然に反することと見られていたからに相違ない」というのです。(会場爆笑)

教委の「満場一致」の採択に「何らかの不明朗な強制力」が働いていた! ことを保証してもらったような気がします。(拍手)

 

 さて、「つくる会」の弱点の第2として、自分たちの陣営すらまとまっていないことが指摘できます。

ある与党議員から聞きましたが、採択直後にあちこちから祝電が届いたのに対して、「それは違うだろ」という感じがした、といわれるのです。つまり、教科書が採択されたからおめでとう、とか、はずれたから残念というような筋合いのものではなかろうというのです。そういう比較的冷静な感想が語られています。

 また、しんぶん赤旗の紙上で、自民党のA県議が匿名で扶桑社教科書の採択を批判したのに対し、自民党内ではさっそく「犯人さがし」が始まったのですが、そのなかで、ある幹部は「あれは誰ぞ。Bか? Cか?」と騒ぎ立て、結果としてA県議以外にB県議、C県議が採択に批判的だったということがわかってしまいました。(会場笑い)

弱点の第3として、今回の「つくる会」の運動は全国集中の結果であって、愛媛の自前の力ではないということです。

 藤岡信勝氏らが愛媛に乗り込んで直接陣頭指揮をとり、東京都議や大阪府議などの「よそ者」が政治介入をするという異常な事態となりました。

松山市の繁華街で通行人に付きまとってしつこく署名を集めていた「つくる会」の人に、「あなたはどこの人ですか。松山の人? 愛媛県の人?」と尋ねたら、黙ってしまったということもありました。まさに、不当な介入を、それもよそからの口出しをしたことが明らかで、そのことは、この署名が「全国41万」のうち「愛媛17万」で、他県の方が多いことにも表れています。  

 採択後に、「つくる会」が県教委へのファックスを組織したり、集会やパレードで「勝利」を誇示したり(繁華街の行進では「ありがとうございました」の連呼が異様であった)、自らを励ます行動を続けているのは、弱さの表明ともいえます。

 ともあれ、昨年は右翼知事で知られる石原慎太郎知事の東京と並んで、加戸知事の愛媛が 全国でたった2都県の採択で有名になり、今年は2年連続の採択で愛媛が悪名を馳せることになりました。

 こんな県知事、こんな県政ではだめ、の声を集めて、今年末か来年早々に行なわれる県知事選挙で、加戸知事に変わる、公平でしっかりした知事を選らばなければと思います。 (拍手と歓声)