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息子への手紙---反省するってことは



息子が青春のど真ん中で七転八倒していたころ、ワープロで書いてフロッピーで渡した手紙の一部です。


●「反省」するとは

   「反省」するということは、心の中ですることだから、他人には見えない。おまえも、自分の心の中が見てもらえないので、ヤケを起こしそうになっているのだと思う。
 しかし、反省するってことは、単に、過去を振り返って悪いことをしたと思うってことではないんじゃないか。反省するってことは、「もうあのようにはしない」ということだけでは半分にしかなっていない。「今からはこうする」と決心して、初めてほんまの反省になるのではないかな。何月何日から、とか、どこそこへ行ったら、とかいうのではなく、「今からは」という決心が決定的に大事なんだと思う。


●お父さんの反省

 お父さんが家の洗濯係を始めたときのこと覚えているかな。あれはあの前日、大洲で持たれたある会で、お父さんが友達から「うちでは僕が洗濯をしてるよ。共稼ぎだからね」という話を聞いて、それで「それが本当だ。家事をお母さんにまかせっきりにしている自分のやり方は間違っている」と反省し、それで次の日から洗濯を始めたんだ。

 お母さんがなかなか口に出して感謝してくれないんで残念だけど、そもそも、この洗濯は、お父さん自身の生き方として選んだことだから、感謝してくれなくてもべつにどうってことはない。それでも、お母さんの朝の仕事が少しは楽になっているのも確かなんだから、ぼくの反省は間違いなくお母さんに伝わっていると思うよ。

 

●反省は数分間で

 「今からはこうする」と反省することが出来れば、行動がかわる。他人に分かるのは行動だけだから、そういう反省は回りの人にも必ず伝わる。
 こういう反省は、あるいは決心は、実は、結局は数分間で出来る事なんだ。我々人間は、どういう訳か知らないけれど、「本当はどうすべきか」ということはわかっているんだ。本当はこうすべきだ、ということを大切にするか、大切にしないか、これが誠実という問題だ。フランスのルイ・アラゴンという詩人は「学ぶとは、誠実を胸に刻むこと」といった。

 

●時間はまだある

 人生にたいして誠実に向かい合えば、自分の間違った行動からでさえも、たくさんのことを学ぶことができる。そして、次の数分間で、僕達は「決心」をすることが出来る。その決心がの未来をきっぱりと切り開く。お父さんが「時間はまだある」といったのはそういう訳なんだ。

  

 


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